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    一欠片

    08-07,2011

    5歳下の弟を連れて
    七夕飾りを流しに行った
    子供の頃。

    故郷の七夕は旧暦。

    割り箸の先に針金で赤い提灯を下げて
    頼りなく揺れる提灯の灯を消してしまわないように
    立ち止まり立ち止まり
    踵からそっと歩いて
    小さな弟が無口になる後姿や
    灯りを消してしまっては
    しゃがみ込んでつけ直し
    神社の橋までの短い道のりが
    とても長かったこと
    今も懐かしく蘇ってきます。

    御幸橋の真ん中からお祈りしながら
    七夕飾りを流した後の
    せつないような風の感じを
    今も頬に覚えていて。

    川の先には海があって
    その海が天へと注ぎ
    短冊に書いた願い事が
    あの星空に届くと信じていられた
    小さな自分は
    橋の欄干からいつまでも
    短冊が流れていく先をみつめていたっけ。

    いつの間にか
    川が汚れるということで
    笹飾りは河岸でまとめて焼かれることとなり、
    そのことが何かとても悲しく感じられていた時
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の中の
    こんな一節に出逢いました。

    「-もしも天の川が本当の川だと考えるなら
    一つ一つの小さな星はその川底の砂や砂利の粒にあたり
    川に水にあたるものが真空で、太陽も地球もその中に
    浮かんでいるのです。
    つまり私共は天の川の水の中に住んでいるわけです-」

    私達はみんな天の川の美しい細胞の一欠片だ
    という甘美さは
    驚きと共に、私の心に豊かに染みていきました。
    願いをかなえてくれる果てのない何処かとは
    川の向こうの遠い何処かにあるのではないことを
    そっと教えてくれるようで。

    そして大人になるにつれ
    その一欠片の自分自身がちゃんと瞬いていられるように
    七夕は自分の美しい在り方を願う日となりました。

    歳を重ねて
    ただシンプルにだけ生きられないことを知っても
    この記憶は「ほんとうのこと」として
    私の中心にあります。
    時に揺れたりしながら
    あの日の灯りを消さずにいられることを
    七夕の空に感謝する気持ち。
    今年も変わりません。

    どんな日も宇宙は晴れ
    雷ゴロゴロのこの空の上
    星は今日も清かです。

    ありがとう。

    七夕の香飾り↓不器用者の私製。
    梶の葉の中に匂袋が二つ織姫と彦星のように忍んでいます。

    tanabata035_convert_20110807184904.jpg









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    COMMENT

    上手!!素敵なの作りましたね。
    それにしても、貴女の綴る言葉はなんと輝いているのでしょう。いつも読みながら、気持ちの透き通っていくような、純粋な自分に立ち返ることを思い出すような、そして周りの輝きにも気づかされるような、そんな気持ちがしてきます。
    誕生日にその人の良いところ十を挙げる。素敵な習慣ですね。私もやってみよう。
    2011/08/14(日) 04:36:25 |URL|yuki #- [EDIT]
    ありがとう。過去のことを書くことが多くて、もっと今のことを書けるようにしなくてはと思っています。ブログ拝見しました。家族の色々なことがあって、家族になっていくのですね。子供という光は本当にありがたいですね。
    2011/08/19(金) 15:12:08 |URL| #- [EDIT]

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