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    01-09,2012

    学園同期の友より初釜のご案内。
    喜び勇んで出かける。

    待合には玉を抱いた降り龍。
    「鯉は瀧を越え登竜門に至って龍となり
    さらに昇って天界の玉を手にして下り来る」
    昇り龍は意のままに願いを叶える宝の玉、如意宝珠を追う姿、
    降り龍はそれを手にして降臨する、運気が上がることの象徴。

    本席床には松の常盤の翠
    ご亭主は会津のご出身。
    奇跡の一本松が瞼に。
    綰柳調達のお話など。
    初春色に滲む寒牡丹も見事。

    300_6543_convert_20120125194901.jpg

    台子には繊細な絵付の皆具。
    タイ駐在中に出逢った
    ベンチャロン焼とのこと。
    私は初めて拝見した。
    施してあるプラチナや金彩が
    上品で台子によく映っていた。

    炭手前。
    香合は微笑を湛えた犬。
    ご亭主は戌年とか。
    顔があるものは顔が好きでないと始まらない。
    もし道具屋でこの犬に出逢ったら
    私も連れて帰るだろう。
    箱を開けるのが楽しみな
    ご亭主の大切なひとつであるのだろうな。

    年頭の一服を厳かに頂き、
    薄茶も和やかに。

    茶杓は授業で削った櫂。
    銘は「熟田津」
    にぎたつに ふなのりせむと つきまてば
    しほもかなひぬ いまはこぎいでな

    661年、斉明天皇が新羅征討のために九州に向かう途中、
    従っていた額田王が詠んだ歌。
    熟田津で船を出そうと月を待っていると
    いよいよ潮の流れもよくなってきた
    さあ、今こそ船出しよう
    との意。

    にきたづは現在の松山市の辺り。

    愛媛出身の私
    今回も至らぬ正客であったが、
    学園最後の桐蔭席での茶事のお役そのままに
    思い出と共にある懐かしい道具との再会。
    あの時は、
    卒業して散り散りになる寂しさよりも
    未来へと船出する希望に震えるような
    張り詰めた気概が
    あの瞬間に満ち満ちていたな。
    そして今日は、
    ご亭主様の力強い復興の願いと共に
    私の眼と掌の中に在った。

    道具はただの物でしかない。
    ただの物の中に漲るもの
    茶人はそれを受け取り
    一期一会の出逢いとして心に刻む。
    そういう忘れえぬ物を
    幾つ眼に遺せるか
    楽しみが尽きない。

    感謝と共に退出し
    家路までの道のり
    出逢った全てをその空気を
    反芻する
    その時間も好きだ。

    扇子一本を結界に
    言葉を尽くさない淡き交わり。
    けれど忘れ得ない濃密な関わりが
    確かにある。
    こういう茶の時間はかけがえがない。

    自分の茶をどうするか
    師すらも決めかねている
    櫂は私の掌に。
    このオールで私はどこにいきたいのだろう。

    友に感謝。
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