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    振袖

    05-22,2012

    お祖母様がお孫さんの成人式にと
    見立てた振袖。
    お母様とお孫さんが親子で
    お仕立て上がりを見に来られた。
    薔薇色の頬に良く映る綺麗なお色。
    鏡の前でのお着付けを傍で拝見しながら
    何だか思いが溢れてきた。

    私の祖母は二人とももういなかったから
    母が私の振袖をつくってくれた。
    振袖は縁を呼び寄せ、厄を払うもの。
    19の厄年に間に合うようにと
    18の時に呉服屋さんに来てもらった。

    男の子のようだった私は
    でくの坊のように鏡の前に立って
    あてがわれる絹に戸惑うばかり。
    お着物のことも何も分からなかった。
    呉服屋さんは白地を勧めてくれたけれど
    その時の私は白という色が気恥ずかしくて
    茄子紺を選んだ。

    記憶の中の最初の着物は七五三。
    しゃなりと歩く度に鳴る
    帯の鈴が嬉しくて
    いつまでも町内を歩いた。

    母と一緒に呉服屋さんに行ったのは
    中学一年の時。
    お正月に着るアンサンブルをと
    何本か出してもらって
    母は、好きなのを選びなさいと。
    私はわからないままにそのうちの
    紺地に格子の一本を選んだ。
    着付けと畳み方を母に教えてもらって
    冬場は祖母の着物を引っ張り出して
    反幅で着てみたりしていた。
    男の子みたいだったけれど
    何故か着物は好きだった。

    次につくってもらったのは色無地紋付。
    高校生の時、淡交会に出ることになり
    急遽染めてもらった。
    白絹を好きな色に染めるということ
    紋帖を初めて見て、それぞれの家に
    紋というものがあるのを知った。

    私が社会人になっても
    母は折りに触れて着物をつくってくれた。
    私は気に入ったものしか着ないので
    素直でない子供だったと思う。
    今になって、母が私に着せたかった
    年頃に合った可愛らしい着物を
    恥ずかしがらずに着れば良かったと
    しみじみ思う。

    着物は特別なもの。
    物だけれど
    ただの物というだけでない。
    母の母から母へ
    母から娘へ
    絹に重ねて手渡していく
    願いのこもった大切なもの。

    お客様をお見送りしながら
    母を思い出し、
    いつも気付くのが遅い自分に
    泣けてきた。

    今日のお客様、
    お祖母様とお母様の愛を纏って
    どうぞ良いご縁を繋いでいかれますように。
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