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    10-03,2014

    神無月。

    風で折れてしまった水引を
    吾亦紅と深山竜胆と共に
    萩に入れる。

    CIMG0177_convert_20141014133948.jpg

    床は天竜寺精拙老師の
    一声鳴又黄昏

    一声の主が鶴なら祝、鶯なら初春、杜鵑なら初夏、
    春の黄昏、夏の黄昏それぞれ美しい
    この一声を雁と聞き、黄昏を秋澄む頃として
    この軸を掛ける。

    看脚下とか平常心是道とか
    基本的に教えの前面にでた言葉を掛けることには
    年齢的にも人間的にも僭越な思いがあって、
    気が進まない。
    情景が浮かんでくるような季節感のある一節を
    選ぶことが多い。

    茶の湯で床に掛ける軸は家元または
    ご老師様が書かれたもの。
    ご修行をなさったその相そのものに見て
    真の礼をするのであって、
    掛軸にお辞儀をしているわけではない。

    厳しいご修行の果てに得られた
    悟りのお言葉が禅語。
    その意味について、大した実感もなく
    本に書いてあるような解釈を
    ペラペラしゃべることは私にはできない。
    人の説明の受け売りで
    わかったような気になることは
    もっとも恐ろしいこと。

    言葉を胸に留めて、それぞれの人生で
    その奥にある意味を受け取れる時を
    ゆっくり待っていけばよいと私は思う。

    さて、風炉の名残月。
    茶の湯の暦は中置。
    何を中に置くの?
    それは火床である風炉釜。
    5月、囲炉裏としての暖も務めてくれた炉を閉じ、
    風炉を出して点前畳の
    客座から一番遠い勝手付に
    火床を追いやり、夏を迎える。
    10月は少し寒くもなるので、
    点前畳の中央までこの
    可動式の火床である風炉を動かす。
    えっ?ほんのちょっとやん?
    と云う勿れ。
    気は心。心は目に見えるように表現しないと
    伝わらない。
    心情を目に見える形にしたものが茶の湯。
    火への恋しさを少し満たし、
    夏の間、客付にあって水の光を見せてくれた
    水指を逆に一番遠い勝手付に置く。
    この配置は来る炉にも倣ってうまいこと考えられている。
    水指の空間がぐっと狭くなるので
    細い水指を使うのが約束。

    CIMG0280_convert_20141014134328.jpg

    名残という言葉は大きくは茶葉に対してのもので、
    今はもうその意味が失われてしまったけれど、
    昔は茶師に預けた壺の口を11月に切って新茶を飲んだ。
    10月は壺の底に遺った古茶を名残惜しく頂いていたことから。

    風炉も鉄風炉にやつれ釜を掛けて
    灰も藁灰を敷いたり、
    ざっくりと掻き上げ灰にしたり
    侘びた風情に親しむ。
    私はいづれも持っていないのだけれど
    大きな古いすり鉢を使ったことがある。

    愛媛の生徒さんは、藁灰の話をしたら
    焙烙で作って持って来て下さって
    仰天したこともある。
    二文字押切の灰型の上に
    ハサミで切りながら敷き詰めていくのだけれど
    まあこれが・・・大変だった。
    田舎では、農家でなくても
    自分の家で食べるくらいのお米を作っていて
    藁のきれいなところを手できれいに切って
    とっておいて、本の通りにやってみたのだと。
    田舎では本当に豊かな茶の湯ができる。
    清心会は場所が変わっても
    チャレンジャーの伝統が脈々と流れている。

    侘びたるはよし、侘びさするは悪しで
    ことさらハリキッテ侘びにこだわるのではなく
    何でもない、残花を愛で、
    何でもないけれど、使い勝手の良い
    好きな道具で風炉の仕舞をする。

    茶の湯のいいところは
    こうして季節の中に
    自分をきちんと置いていく。
    節や点を打っていくこと。

    私は10月の茶趣がしみじみと好きだ。



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